第63回
日本心身医学会九州地方会

会長 野崎 剛弘
中村学園大学大学院栄養科学研究科

 このたび、令和6年1月27日(土)、28日(日)の両日にわたり、中村学園大学(福岡市)におきまして、第63回日本心身医学会九州地方会を開催いたします。4大会振りに、オール対面での開催を予定しております。しかし、COVID-19は5類に移行したものの、感染者数は再び増加傾向にあり、同時にインフルエンザ流行の兆しもみえておりますので、未だ油断できない状況です。

 本大会のテーマは、「食と栄養と心をつなぐ心身医学」です。私はこれまで摂食障害や肥満・糖尿病の心身医学を専門とする一方、「食の中村」として栄養科学分野で広く人材を輩出してきた中村学園大学に現在勤務しておりますので、大学の歴史をふまえて、このようなテーマとしました。ポスターは、そのテーマをイメージしたデザインです。解説は省きますが、皆様なりに解釈していただければ幸いです。

 さて、大会プログラムは、口演による一般演題の他、シンポジウム2題、特別講演2題、教育講演2題および会長特別企画を1つ用意しております。シンポジウムは、「私たちの心と体を動かす栄養」と「やせと肥満の認知行動療法」の2題ですが、食と栄養が関係する疾患に対して、基礎と臨床両面から切り込んだ内容です。特別講演は、中村学園大学学長・日本心療内科学会理事長の久保千春先生に、「心身医学の基礎研究:ストレスと免疫、栄養と寿命」、千葉県立保健医療大学学長・日本肥満症治療学会理事長の龍野一郎先生に、 「新時代を迎えた肥満症治療-認知行動、薬物、そして肥満外科療法-」といった タイトルでのご講演をお願いしています。

 教育講演では、肥満症を含む生活習慣病の治療を行動医学の面から切り開いてきたあだち健康行動医学研究所長の足達淑子先生と、「マインドフル・イーティング」実践の第一人者である福岡県立大学准教授の小山憲一郎先生にご講演していただきます。また本大会目玉の特別企画として、日本の精神分析学をリードしてきた京都大学名誉教授の松木邦裕先生に、「精神分析と食」という魅力的なテーマでお話をしていただくことになっています。

 さらに、2日目の午後から市民公開講座として、「フレイルを予防して健康で長生き!」のテーマで、中村学園大学の3人の先生を講師に、リレー講演を企画しています。同時間帯に、産業医講習会も開催しますので、どうぞ積極的にご利用、ご参加ください。

 多くの皆様のご支援とご協力に心から感謝しつつ、本大会が有意義で実りある学びと交流の場として、また未来に向かっての新しい展望を得る場として、皆様のお役に立てればと願っています。学会場は福岡市の郊外ですが、今年度博多駅から直通の地下鉄が開通し、所要時間が14分とアクセスが格段とよくなりました。また久しぶりの懇親会も準備しています。是非とも沢山の皆様のご来場、ご参加を心よりお待ちしております。